がんに積極的な気持ちで向き合った木口さん。感謝や夢を語ってくれました。

【略称】インタビュアー:岸田 / ゲスト:木口

更新日:2017.02.17

発覚まで

岸田 いつ、どうやってがんがわかったのですか?

木口 不正出血があり、婦人科に通院し続け、4カ月後に発覚しました。2013年1月に不正出血があり、婦人科にて細胞診をしたのですが、がんではないという結果でした。 ただし、数週間毎に通院するように言われ、通院し続けた結果、2013年5月に組織診によりがんが発覚しました。

治療のこと

岸田 治療はどんなことをしましたか?

木口 円錐切除術で子宮を温存したのですが、最終的に子宮や卵巣を全摘。さらに、抗がん剤を6回実施し、2013年12月に治療が終了しました。

岸田 副作用の脱毛は嫌じゃなかったですか?

木口 脱毛コスプレをしたり、抜けた後に生えてくる赤ちゃんの毛のような柔らかい触り心地を味わったり、楽しんでいました。

岸田 治療後は順調に回復していったのですか?

木口 治療終了から数日後に問題が発生し人工肛門になってしまいましたが、2014年5月に人工肛門を閉鎖しました。治療終了後に、自宅で急に激しい腹痛が発生し緊急搬送されたのですが、手術の影響で腸閉塞の中でも特に危険性の高い絞扼性(こうやくせい)イレウスになってしまったのです。緊急手術を行い、その結果、人工肛門になってしまいましたが、その5カ月後に再度手術をし、人工肛門を閉鎖しました。

家族のこと

岸田 家族のサポートはどうでしたか?

木口 冷静に受け止めてくれて、治療の間は余計なことは言わずにしっかりと支えてくれました。親に伝えるのが一番の難関と思っていました。ショックを受けさせたくないし、ショックを受けている親を見て自分がショックを受けるんじゃないかと思うと怖かったです。 そこで、手術の日取りまですべて決めた後で親に伝えましたが、わりと冷静に受け止めてくれて、治療の間は、余計なことは言わず必要な時にはそばにいてくれて、しっかりと支えてくれましたね。

恋愛や結婚のこと

岸田 当時、恋人はしていましたか?

木口 がん発覚前に離婚をしていました。がん発覚後は精神的に綱渡りな状態で、できるだけほかの心配は少ない方がいいと思います。別れていたために夫の心配をしなくてすんだのはよかったと思いました。

岸田 今後の恋愛や結婚はどう考えていますか?

木口 結婚したいです。旦那さんや彼は血の繋がりではなく、自分の選択でそばにいてくれる存在だと思っています。

仕事・学校のこと

岸田 復職は大変でしたか?

木口 フリーランスのフォトグラファー&ライターをしていますが、仕事を得ること自体は難しくありませんでした。復帰後初の仕事は、働ける体力をつけるために1カ月という時間をもらいました。

岸田 仕事で最近困ったことはありますか?

木口 「妊娠出産の取材を頼んで良いか悩んだ」と仕事相手から言われたことがありました。「大丈夫ですし、もし無理そうであればそのようにお伝えするので心配しないでください」とお伝えしました。

お金・保険のこと

岸田 お金について、治療費などはどうしましたか?

木口 1年5カ月休業。貯金と保険と家族からもお見舞金で生きていました。

岸田 保険には入っていましたか?

木口 二つ入っていました。一つは自分で、もう一つは母が入れてくれていました。 女性特有の疾患に手厚い保険だったことと、手術の度に保険金が出たため、とても助かりました。

辛かったこと&その克服法

岸田 がんになって辛かったことは何ですか?

木口 緊急手術後、人工肛門になっていることが分かった時がつらかったです。術後にICUで寝ていると、医師に「人工肛門にした」と告げられました。ベッドに沈み込んでいくような感覚に陥り、何もかもが面倒になりました。5日目の朝にパチッと立ち直りました。体にできた傷は時間がたつと、自然と良くなったりしますが、心の傷も同じなんだろうなと思いました。 それ以降、一度も人工肛門のことで落ち込んだことはないです。

岸田 その後、人工肛門を愛おしく思うようになってしまったと聞いていますが、どういうことですか?

木口 執刀した先生が一生懸命きれいに人工肛門を作ってくれたと知ったことと、実際に見た人工肛門が可愛かったことで、愛おしく思うようになりました。

岸田 精神的につらかったことは何ですか?

木口 子宮だけでなく、卵巣も取ると言われたときですね。卵巣から出るホルモンで女性らしさが生まれているので、「女性ですらなくなるのでは」と、とても悲しくなりました。

岸田 どう乗り越えましたか?

木口 温かい先生方のおかげで乗り越えられました。

後遺症のこと

岸田 後遺症については何かありますか?

木口 子供が産めなくなりました。子供が産めなくなりましたが、だからこそつながる良い人生もあるかと思います。もしかしたら、子供が産めない代わりに恵まれない環境の子供を引き取って幸せにしてあげられるかもしれないですし。

反省 失敗

岸田 あの時こうしておけばければ良かったということはありますか?

木口 しなくて良かったことになるのですが、勢いに任せて先生にキレなくて良かったと思う出来事はありました。入院中、先生の対応にキレかかったのですが、一旦落ち着いて考えたらここまで色々としてくださったことに対するお礼を言っていないことに気がつきました。そこで、キレるのではなく、これまでのお礼を言いました。その結果、翌日から先生との壁がなくなり、より良い関係になれました。

医療従事者へ

岸田 感謝や要望はありますか?

木口 本当に感謝しかありません。入院も通院も楽しいです。辛い治療も多いけど楽しい時間も多かったです。

キャンサーギフト

岸田 木口さんの場合のキャンサーギフトは何ですか?

木口 人生を学んだ、というところが一番のギフトだと思います。抗がん剤による脱毛や人工肛門など、嫌なイメージしかないものにも、そうでない一面があるんだという学びもありました。

岸田 今後どうしていきたいですか?

木口 死は必ず訪れる、だからこそ無駄にせず自分にとって意味のある事だけをしていこうと思います。そのひとつとして、病気などで身体的にこれまでとは違ってしまっても、持っている力をそれぞれに役立てられるような“舞台”を作れたらと思っています。

今、闘病中のあなたへ

木口 一般的なギフトはラッキーでもらえると思われがちだけど、キャンサーギフトは自分で作る・見つけるもの。つらいだけと思っている経験も必ず何かにつながっていくと思います。

※本ページは、あくまで経験者の情報を扱っております。そのため、あくまでその方のケースはそうだったということを念頭においてください。そのため、医療情報に関しては主治医や、行きつけの病院、またはしっかり科学的根拠に基づいたWebページや情報サイトを参照してください。

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