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インタビュアー:岸田 / ゲスト:守口
長野出身・医療ソーシャルワーカー。守口ゆきさんのプロフィール

岸田 では、今日のゲストの紹介をさせてください。今日のゲストは守口ゆきさんでございます。守口さんは長野県のご出身で、そして今愛知県にいらっしゃいます。そして所属としては医療ソーシャルワーカーのお仕事をされておりまして、趣味が映画鑑賞やフリーペーパー作成、ドライブとありますけど、なかなかフリーペーパー作成ってお伺いすることないんですけど、どんなことされているんですか。
守口 ちっちゃい時から映画観るのが大好きで、その映画の感想を勝手に通信というかたちでまとめて色んな人に配っています。病気になってからも映画を色々観るんですけど、またちょっと感想が変わってきたので、そうやって続けてフリーペーパーを作り続けています。こういうのが趣味です。
岸田 映画をまとめて通信形式に書かれていく感じなんですね。
守口 はい、勝手に。
岸田 最近のおすすめのやつとかあったりとかします?
守口 病気してから観てすごく印象的だったのは、プロミシング・ヤング・ウーマンっていう映画です。
岸田 プロミシング・ヤング・ウーマンですね。あー、すごい!めっちゃ書いてある。すごい。
守口 病気の自分とつながる部分も感じてしまって。
岸田 素敵、ありがとうございます。ちょっとそれぜひチェックしたいと思います。ありがとうございます。
守口 はい。
乳腺炎を繰り返していたから気づけなかった——2年間放置してしまったしこりの正体

岸田 そんななかで、守口さんのがんの種類は乳がん、そしてステージがⅣで今告知年齢が44歳で現在の年齢が47歳。治療方法は手術、薬物療法、放射線をされているというかたちになります。
そんな守口さんのちょっとペイシェントジャーニー、お伺いしていきたいということを思います。ペイシェントジャーニーはこのようなかたちで吹き出し等となっております。守口さんのペイシェントジャーニー、こういうかたちでね、色々様々な山あり谷ありかと思いますけれども、まずはじめに長男をご出産され、そしてその後に乳腺炎を繰り返すとあります。
乳腺炎ってどういうやつなんですか?
守口 特に授乳期におっぱいの出が悪かったりするとすごくしこりが大きくなってできてたりとか。一時的にまたそれがなくなるみたいなのを繰り返すっていうようなことを、1年くらいずっと繰り返してました。
岸田 ずっとずっと繰り返してたんですね。
守口 うん。
岸田 ただそれも、またなくなってたりとかするんですか、炎症だったりしこりだったりとかが。
守口 そうなんです。乳腺炎のしこりっていうのは私の場合はすぐ消えるので。しこりってみんなこんなふうにあってこんなもんなんだろうって思ってたので、異常だって思ってませんでした。
岸田 そういった経験があったからか分からないですけど胸のしこりが急激に痛みだすっていうのは、これはどういった状況があったんでしょうか。
守口 もう子どもも大きくなってしこりなんかそんなにできないのになと思ったのが、なんとなく気がついた時にものすごく痛いものがあるって気がついて。あれ、これ乳腺炎のしこりとはちょっと違うんだろうかと思って、やっとそこで初めて病院にかかったという。だいぶ放置してたと思います。
岸田 そうなんですね。しこりあるなと思ってから、何ヶ月とかですか、それとも何年レベルですか。
守口 しこりがあって2年くらい前になんとなくあるなと思いながら、その後なんとなく気が付かないような感じだったのでそのまま置いてましたね。
岸田 そうだったんですね。それでいきなりまた痛みだしていってから、そこからクリニックを受診ということで。これは近くのクリニック受診していったんですか。
守口 なんとなく気分的に近いところとか子どもが生まれた関係のとこは嫌だなということで、ちょっと家から遠い、生活圏外のクリニックを選んで行きました。
岸田
生活圏外のクリニックを選んでいって。それはもう自分でインターネットとか調べていったってかたちですよね。
守口 そうです、はい。
岸田 その後クリニックを受信してから、次にがん専門病院を受信していくっていうことなんですけれども、クリニックで何か言われたんでしょうか、この時は。
守口 クリニックでは、私もエコーや画像のものを一緒に見せていただいた時に、明らかにがんだという感じがありましたので、先生からもその場で間違いなくがんだからおっきい病院にすぐ行ってねと言われました。
岸田 うわー、そうなんですね。その大きな病院でもがん告知を受けていくというかたちかと思うんですけれども。結構どうでしたか、乳がんというがんをたぶん宣告されたと思うんですけれども、その時の心境っていかがでしたか。
守口 多くの患者さんがそう思うと思うんですけど、冗談じゃなく、ガーンって思いました。
岸田 いや、ほんとなりますよね、冗談じゃなくね。
守口 うん、ほんとにそう思った。死んじゃうのかなって思いました。
岸田 そうですよね。だって守口さんって医療ソーシャルワーカーのお仕事されていて、そういった方たちと接していてもそうなるってことですよね。
守口 そうです。医療機関に務めているとあるあるの場合があるかと思いますけど、自分は病気と縁遠いって勝手に思ってて検診も怠ってた。なんて自分馬鹿だったんだろうって思いました。
岸田 そうだったんですね。そんななかでがんの告知受けていってからの、その後。
えっと?ちょっと待ってください、ママ友関係、子ども会役員の件で大モメっていうがん以外のことで大モメしてるかもしんないですけど、これどういうことですか?
守口 お子さんがいるとあるあるかと思いますが、子ども会とかの役員を年単位でやったりするんですけど。
ちょうど告知される直前に大きな役員を引き受けてしまってて、結局治療がすぐ始まるっていうことでそのおっきな役員の役割を果たせなくなっちゃうということで、申し訳ないけどっていうふうに、もうできないんですってお伝えしていったんですけど。ママの関係にどこまで病気のこととか治療のこと言ったらいいかも分からないし。
岸田 あー、そっか。
守口 子どもの耳にどうやって入ってくかっていうこともすごく心配だったので、あんまりはっきりしたことが言えなくて。なんでできないの?みたいなののやり取りがすごくあり、もうほんとにごめんなさい、病気になっちゃったからごめんなさいって謝り倒して逃げるように役員を解除していただいたんですけど。はっきりしたこと言わなかったので。
岸田 そうなんですね。
守口 なのでちょっと違う心の病じゃないかとか、そういう噂がですね、結構かけまわってしまってちょっと人間不信になったことがあります。
岸田 そっか、色んな憶測でね、色々なったりとかしますからね。それで人間不信になっちゃったんですね、守口さんね。
守口 その時ね、そうそう。
岸田 人間ね、ほんとね、もう。いい面も大変な面も色々ありますからね。
守口 はい。
専門病院からさらにセカンドオピニオン——納得できる治療を求めて転院を決断するまで
岸田 そっか。それで揉めた後に、そのままちょっと少し上がってくのは何かというと、セカンドオピニオン受けられていくといったところで、がん専門病院で治療をされていく、セカンドオピニオン行ったんですね。
守口 そうなんです。実は専門病院で告知を受けた時には微小な転移が疑われるということでしたので、ステージⅣに近いかたちの治療を続けようということで始めてしまったんですけれども、完治の可能性もあるのではないかということでセカンドオピニオン受けた方がいいよと言ってくれる上司がいて。
ちょっと思い切って相談をしたら、専門病院の先生も行ってらっしゃいということで送り出していただけたので行ってみました。
岸田 なかなかがんの専門病院に行ってからセカンドオピニオン、なかなかないですけれども。やっぱり色んな意見を聞こうっていうことを守口さんも思ったっていうことですよね。
守口 そうですね。治療にやっぱり納得できないと治療がちゃんと受け付けられない、自分としても受け入れられないし、やっぱり納得するために意見を聞きたいなって思いがあって、それをみんながくんでくれて行かせていただけました。
岸田 セカンドオピニオン行ってどうだったのかというと、そこから転院していくっていうことになるんですよね。これ、どういう結果で転院していくことになるんですか。
守口 治療のやり方としては色んな方法があるかもしれないという可能性を示していただけたので、それも率直にがん専門病院の先生にお伝えして、治療できるところにちょっとかけてみたいということで転院先を探して移ることができました。
岸田 そっか、じゃあセカンドオピニオンを受けてその病院では治療はできなかったんですね。
守口 そうですね、ちょっと通院もできない距離でしたので。
岸田 そうかそうか、遠いところか。
守口 うん、地元でできるところがあるといいなということで、本当は転院ありきのセカンドオピニオンってないと思うんですけど、私の場合はちょっと色々ご相談してみんなが納得して進めてくださいました。
岸田 ありがとうございます。ということは、もう一度がん専門病院に戻って、そのがん専門病院では治療はやっぱり自分の病院の方針じゃないからちょっとそれは難しいってことだったんですね。
守口 そうなんですよ、はい。
岸田 そのがん専門病院じゃない病院を、自分で探したんですか?
守口 自分でちょっと探したっていうのもありますし、ご紹介いただいてお話聞きに行ってみたっていうのもあります。
岸田 じゃあ紹介してくださったりとかするってことですね、この病院だったら治療できるよみたいなかたちで。
守口 そうですね、はい。
岸田 ありがとうございます。それで紹介してもらってその病院に行って治療をしていくといったところで。その治療先でどういったとこをしていったかっていうと、手術そして薬物療法、そして放射線の治療。
もうね、3つ全てやっていくというふうなかたちでね。もう一気にしていったかと思いますけれども、これ治療的に大変だったのってどちらになりますかね。
守口 やっぱり1番怖かったし1番影響が大きかったのは抗がん剤ですね、薬物療法です。
岸田 このddACっていうのあまり聞かない、僕は知らないんですけど、どんな治療なんですか。
守口 2週間に1回のクールを4回繰り返す抗がん剤治療で、通常の投与期間よりも短い間隔で投与をし続けていくので、副作用が出てちょっと回復期があってまたすぐすごい副作用が出るっていうのを短い期間で繰り返すっていうのがとてもしんどかったです。
岸田 そっか、間隔を、短い期間で副作用がいっぱいあって、それに対応というか耐えないといけないっていったところがね。
守口 はい。
岸田 いや、それにしても守口さんやっぱり医療ソーシャルワーカーやから、めっちゃ説明がうまいですね。うまいって言い方変ですけどめっちゃ分かりやすい。
守口 いえいえ。
岸田 さすが、ほんとに。
守口 いつも人の話をお伺いするだけなんですけど、自分のこと話すのとっても苦手なんですけど。
岸田 いやいや、全然すごい分かりやすいです。あと一応がんノートの仕組みとして今回守口さん経験談になりますので、みなさんもしっかり主治医の方の先生の意見をちゃんと参考にされて、あくまでも経験談といったところでご認識いただければと思います。ありがとうございます。
では、この手術や薬物療法、放射線、これでどれぐらい、1年間ぐらい治療してった感じですか、半年ぐらい、どのぐらいですか。
守口 半年ですね。
岸田 半年ぐらい。
守口 はい。
医療職だからこそ難しかった職場へのカミングアウト。上司には全部、同僚には濃淡をつけて
岸田 治療していってといったところで、その後ちょっとまた下がっていきます。それは何かというと、職場でのカミングアウト問題っていったところで。
守口さん、これは休職してっていったかたちとかどういうふうなかたちで職場はしていったんでしょうか。
守口 私は仕事はなるべく休まずに両立ができるというふうに今の主治医の先生に言われたので、だったら絶対両立してみせようということで、有給などを駆使して休職せずに治療してきたんですけど。
岸田 へー、すごい。
守口 休まずに仕事をしながらでも治療するって、結構やっぱり副作用の影響でちょっと休むとか、あと治療のために通院しなきゃいけない時に仕事休むってことがあるので、そういう場合やっぱり最低限同僚に助けてもらうようなこともあるもんですから、どの範囲までどのような内容でお伝えした方がいいのかなっていうのは結構塩梅を見ながらやっていて。
職場は医療者も多いもんですから、私の状態を伝えると仕事なんかできないんじゃないかとかもっと休めとか不要に心配してもらえちゃうんですけど、自分にとっては仕事を干されてるような気持ちになっちゃって、カミングアウトの度合いって結構難しいんだなって仕事しながら治療してると思いますね。
岸田 なるほど、医療者だからもっと休んだ方がいいんじゃないっていうかたちでね。体を気遣われすぎると、私ってじゃあここに必要ない人なのみたいな感じになっちゃいますもんね。
守口 はい。
岸田 その塩梅は、守口さん的にはどういうふうに分けてったんですか、塩梅的には。
守口 例えば、よっぽどもう直轄の上司には包み隠さず全部言おうというふうにしています。職種的に色んな人たちを関わるんですけど、その人たちについてはここまでは言わなくてもいいかなっていうようなところは、関係性だとか仕事への影響を見てあんまりはっきりステージまでは言わなかったりとかしていることも結構ありましたね。
岸田 自分の仕事上の1番濃い関係にある上司だったりとかは包み隠さずお伝えして、それ以外の同僚に関しては職場上の関係だったりとか色んなことを加味して濃淡を付けてお伝えしてたって感じなんですね。
守口 はい。
岸田 ただ、守口さんが治療されてるっていうのはみんなそれなりにはちょっと知ってる感じ、がんだっていうことは知ってる感じ。
守口 私の所属する部署の人はもう全員知っていて。
岸田 っていうかたちですね。
守口 私がなのでカツラを被って仕事をしてることとかももちろん知ってくれてて、小さな配慮を色々してもらってます。
岸田 そういうことですね、ありがとうございます。
そしてそこから上がってまいります、少し上がってるのは新型コロナウイルス感染症の流行。これね、ほんとコロナが色々ありましたけれども。ここで思ったこともあるんですよね、守口さんね。
守口 そうそう。みなさんが一般的にマスクしたりとかそういうのがもう本当に常識みたいになったし、行動制限なんかもみんながみんなそういうことになったので、ちょっと言い方が変ですけど自分だけじゃないというか、みんなが我慢してるというようなところもちょっと、すごい変な言い方だけど。
岸田 そうですね、自分だけ。今マスクもみんなするようになって、病気の人だけじゃなくて色んな人もするようになって、1人だけじゃない。
守口 目立たなくって、っていう意味です。
岸田 ありがとうございます。みんな我慢するなか、自分も我慢してるしちょっとみんなも我慢しないといけない世の中にもなってきていてっていったところで、早くコロナなくなればいいなとは思いますけれども。
そんななかで上がってまいります。家族写真撮影とありますけれども、これはどういうことでしょう。
守口 これは病気治療しているお母さんのことをサポートしようっていうNPO団体がありまして、福岡の方にがんのママを支えたい。そこが治療をしているお母さんでも綺麗にして写真を撮ったり、ありのままを写真に撮って、家族にこんなに支えてもらってすごく幸せだねって、ハッピーだね、治療しててもハッピーだよっていうことを伝える企画があって。
そこで私も撮ってもらおうかなと、かなり悩んだけど応募してみたんですね。その時髪の毛は本当にうっすら生えてきてるぐらいでカツラを被って生活してたんですけど、そんなんでも写真撮ってもらえるんだろうかと思ったらすごくよく撮っていただけて。
岸田 その写真が、いただいてるのがこちらになります。あー、素敵な。
守口 これがみんなでカツラ被って親子で撮ったんです。
岸田 みんなカツラ被ってるんですね、これ。
守口 そうなんです、私のカツラを夫と子どもが被ってくれて。こうやって家族に支えられてるなっていうのは今もすごい支えになってる。生まれて初めて家族でこんなふうにきれいに写真撮ってもらって、すごいいい思い出です。
岸田 わー、素敵。いやー、こういうこときっかけにね、こうやって写真を撮ってね、それが今支えになってるんですよね、すごい。
守口 はい。
岸田 ありがとうございます。そんななかで次のところに入っていきます。次が、脱ウィッグといったところで、ようやくカツラはずせていったといったところですね。
守口 そうです、はい。
年賀状に近況を書いて友人へ一斉カミングアウト——それが1泊旅行の再会につながった
岸田 またウィッグについてはあとでもお伺いしていきたいと思います。そのなかで、その後年賀状で友人にカミングアウトとあります。なかなか年賀状でカミングアウトする人見かけないんですけど、これはどういう意図で、どうだったんですか?これは。
守口 私は友達関係には色んな思いがあってちょっと、直接カミングアウトする機会を持たなかったまま治療をずっとしてきていて。だけど、こうやって元気になってきたし髪の毛も生えたしそろそろ近況報告でもしよっかなって思った時に思いついたのが、写真を入れた年賀状だったんですけど。
岸田 ほうほう。
守口 髪の毛がなかったんだけどこんだけ生えてきたよ、こういうことを治療してたんだっていうのをそこで年賀状作って勝手に送ったって感じだったんですけど。
岸田 なかなかエッジきいてますね。
守口 そうそう、反響大きかったです。
岸田 反響大きかった。様々な反響あったんですかね、やっぱり。
守口 うん、もっと早くちゃんと言えって怒られたことも多かったし、よく頑張ったねって言ってもらえたこともありました。
岸田 そっかそっか。そういったね、なかなか年賀状でっていう、私も初めて聞くパターンですがそういったかたちでカミングアウトしていき。そしてその後、患者会に参加とあります。これ、どういった患者会にどういったきっかけで参加していったんでしょう。
守口 最初から大学病院には患者会があることは実は知っていたんですけど、病気の自分をなかなか受け入れられなかったので、患者として参加するっていうことがすごく戸惑いだったけど。
治療を終えて元気になってきた時に、これからの生き方とかを経験者と共有する場にちょっと行ってみよっかなと思って、治療してか経ってしまったけれども患者会に参加して色んな出会いを今もらっているところです。
岸田 そうなんですね。やっぱり参加して自分1人じゃないみたいなかたちで思うのが大きかったんですかね。
守口 すごく大きかったし、ソーシャルワーカーっていう仕事をしていて思ったのは、やっぱり早くに出会える人たちに出会えた方がいいことも結構あるので。
岸田 そういうことか、はいはい。
守口 だから躊躇せずに、患者会ってやだなって思う人もいるかとは思うんですけど、やっぱり当事者同士で出会うってすごく励みになるし大きい出会いになる可能性があるから、そういうことも今後伝えていきたいなって今思っています。
岸田 1回行ってみてね、合わなかったらもう行かなければいいだけですしね。
守口 うん。
岸田 1回行ってみて、それで合ったりだとかそれで色んな情報仕入れれるんだったらそのままね、色んな情報仕入れたらいいと思います。ありがとうございます。
そんななかでその後、上がっていく。友達たちと1泊旅行とありますけれども、これは何か治療の時に目標にされてたりとか色々あったんですか。
守口 やっぱりいつもの友達関係のことがもう1回できたらいいなっていうのはすごい目標だったし、こういうふうで今元気になったよって年賀状でカミングアウトして、そしたらみんなが集まろうよって言ってくれてやっと実現したっていう。
岸田 そうなんですね。
守口 うん、すごい嬉しかったです。
岸田 それがきっかけなんや。じゃあね、年賀状で送ってね。
守口 そうそう。
岸田 送りつけられた方は、えっなんなん?!みたいな感じになる。あれですけれど、それをきっかけにね、みなさん会うことができた。そうだったんですね。それでみんなで。
守口 うん、そうです。コロナ禍でもなかなか会えない状況ですけど、会える時に会っとかなきゃってみんなが思ってくれたと思います。
岸田 素敵、素敵。ありがとうございます。
そこからちょっと下がっていくんですよ。何かと言うと、腰痛や関節痛といったなかで、そして骨転移が発覚していくとあるんですけど。これ守口さん、今月の出来事なんですよね。
守口 そうそう、この間です。
岸田 この間。どんな感じで痛くなってったんですか。
守口 坐骨神経痛かなっていうような感じで股関節のまわりがすごく痛くなってきて、ちょっと転移かもなってその時ピンときましたね。結構痛くて動けない時があったので。
岸田 検査してもらったら、ちょっと骨に転移してるというふうなかたちで。
守口 はい。
岸田 そっか。じゃあこれからどういうふうな、治療があるって感じですか、これからは。
守口 そうですね。私はホルモン治療ができるタイプなので、選択肢たくさん実はあるということでそんなに落ち込んでばかりもいられないから進んでいくんですが。薬をちょっと変えたらめちゃくちゃお金がかかっていて、かかることが分かって。
これ続けてくんかということで、そっちも今不安ではありますけど。
岸田 そうなんですね。今まではお金の負担っていうのはそこまで大きくなかったんですね、じゃあ。
守口 そうですね、内服治療はそんなにお金の負担はなかったんですが、ちょっと今回変わった薬はかなり高額でしたので。
岸田 具体的にどれぐらいになるんですか、高額っていうのは。
守口 限度額認定証は1回の処方で限度額を超えちゃうくらいですので、おっきいですね。
岸田 そっか、じゃあおっきい。しかもそれが2ヶ月、3ヶ月処方とかじゃなくて20日ほどの処方っておっしゃって。
守口 そうそう。
岸田 だから、毎月毎月。
守口 毎月。
岸田 お金がかかっていくっていうふうな感じで。例えばさっきの限度額っていうお話ありましたけど、もちろん年収によってはなりますけれども、例えば8万いくらで進んで毎月。4ヶ月目から4万いくらになるんでしたっけ。
守口 そうです。
岸田 なので、3ヶ月ぐらい8万いくら、8万いくら、8万いくらしてから、4ヶ月目で4万4000円ぐらいなのかな。だから5万円弱ぐらいになって、それがずっと続いていく。だから5万円弱ぐらいがずっと続いていく可能性があるってことですよね、治療していったら。
守口 そういうことです。だから自分に対して5万円もかけて治療していくのかって、延々と続くと思うと。働かなきゃって思いますし。
岸田 いや、そうですよね。
守口 うん。ほんとに病院でソーシャルワーカーやってて、がん治療たくさんあるっていうことも自分の経験をもって知って、お金がなくってどうしようっていうご相談も承ってたけれども、自分がそうなってみてこういうことかと。
岸田 ですよね。やっぱほんとね、様々な治療がありますから一概には言えませんけれども、こういった状況もあるっていったところですよね。
守口 うん。
岸田 いや、ほんとにもう守口さんの今後の治療がほんとにこっから上向きで上がっていくことっていったことをほんとにまた願っておりますので。
守口 はい、ありがとうございます。
岸田 またがんノートnightだったりとか色んなところでまた近況もお伺いしていきたいと思いますので、ぜひぜひ引き続きよろしくお願いします。
守口 はい、お願いします。
困難をどう乗り越えたか ― 仕事・子育て・治療の狭間で

岸田 こうやっていったなかで、大変だった時、困った時どう乗り越えたかといったところで、守口さんにこういただいております。大変だったこと、困ったことは仕事や子育ての両立、そして脱毛、ウィッグのストレス。
それをどう乗り越えていったかというと、家族のサポート、業務負担の軽減、患者会の活用そして信頼できる美容師さんに相談とあります。少しここお伺いしてもいいでしょうか。
守口 はい、お願いします。仕事と子育ての両立については、自分のがん患者としての大きなテーマなんですけど、やっぱり子どもがまだ低学年の小学生だったので、あんまり不安も与えたくないし。お母さんはたまたまがんの治療をしてるけど、いつも通りの暮らしを送らせるということを私と夫でテーマとしてやろうと。
その時に夫と2人だけでは色々限界でした。こちらに親族もいないので。なので、遠方から母とか妹に来てもらって、とにかく子どもがいつものようにご飯が食べれていつものように習い事に行けてっていうようなところをいつもどおりサポートしてもらいました。
岸田 家族のサポートだったりだとか。あとお仕事に関しては、さっきのソーシャルワーカーの業務の負担をみんなでちょっと分担して軽減していったってかたちですかね。
守口 そうですね、私は病気になったことで後輩たちはもうほんとに頼もしくって、色んなことをかわってやってくれるっていう。ある意味部署としての成長がすごくのぞめる機会だったので。
もう私も遠慮なくみんなに任せようと。仕事が干されたっていうふうに捉えるのではなくて、みんなのためにもなるし部署のためにもきっとなるだろうということで、仕事はだいぶ減らしてもらって、治療に少し注力して過ごすことをさせてもらえたというのは乗り越えられた大きなきっかけだったし。
あと患者会はSNSとかでも色々あるんですけど、そんなようなとこで実際こうだよっていう当事者の声がすごく生活に有効な情報だったりしたので、とても助けられました。
岸田 ありがとうございます。そういった両立をしていくっていうようなところで、この3つのことを実践されていって。そして脱毛やウィッグ、さっきウィッグの写真もありましたけれども、それを信頼できる美容師さんに相談といったところで。やっぱ結構ストレスだったんですか、ウィッグに関してだったりとか脱毛は。
守口 そうですね、私副作用で1番きつかったのが脱毛で。やっぱり髪の毛やありとあらゆる毛がなくなっちゃうって自分にとってものすごいショックで。なんですけど、仕事も休まなかったので。
岸田 そうですよね。
守口 カツラを1年半くらいガッツリ被ってやってたんですけど。夏の暑い時期だと蒸れちゃったりとか。
ウィッグもそれなりに手入れしなきゃいけないんですけど、専門の美容師さんももちろんいらっしゃるんですけど、私の場合はもうお馴染みの美容師さんにいつも相談にのってもらって、上手な付け方とかちょっと気分転換でカットしてもらったりとか、そういうようなことをやってました。
岸田 そうなんですね。ウィッグってケアしないといけないっていったこともあって、守口さん何個ぐらいお持ちになられました。
守口 最初もうテンパっちゃったんで、3個くらい一気に買っちゃいました。だけど、そんなに実はいらなかったですね。使ったのは1個か2個。あと、途中からウィッグで気分転換できるってことに気がついて、ちょっとコスプレみたいな金髪のウィッグとか被ったりしてました。
岸田 そうですね、気分転換。だからそこからまたウィッグの違う使い方って言い方変ですけど、というところで増えていったってことですね。
守口 はい。
岸田 ありがとうございます。どう乗り越えたかっていったところでは、信頼できる美容師さんに相談していったといったかたちがあるかと思います。
「人間、そう簡単にはくたばらない」——今、がんと闘うあなたへ。守口さんからのメッセージ

岸田 そしてそして、最後にこちら。守口さんから今ご覧いただいてるみなさまへのメッセージがありますので、ちょっとこちらになります
守口 人間、そう簡単にはくたばらない!逃げ道は大事!!!というのを伝えたいです。がんの告知を受けると、もうほんとに自分の人生終わったかって思っちゃう人がたぶんほとんどだと思うんですけれども。
実際治療って色んなやり方があって、そんなに簡単にへこたれないっていうことが実感として分かったし、やっぱり納得して治療を受けて前に進んでいけばそれなりに生活ができるということが分かったので、あんまり悲観的にならずに治療に向き合っていってもらえたらなっていうふうにみなさんに伝えたいのと。
だけれども、病気と真正面に向き合い続けるっていうのは相当しんどいことなので、自分がちょっとリラックスできるとか病気とは全然違う方向を向いて逆走してみるみたいなものもある程度用意しておくと、またより気楽に自分と、病気と、生活と向き合っていけるんじゃないかなということで、逃げ道たくさん用意しておくのをおすすめしたいと思います。
岸田 ありがとうございます。やっぱね、ずっと真面目にもちろんやっていくのは大事なんですけど、そうするともう息が詰まってしまってストレスになってしまう場合もありますからね。逃げ道用意して、色んなね。高速道路の逆走はだめですけれども、そういった治療の寄り道だったりとか色んなところで逃げ道を用意して、たまには逆走してみたりだとかそういったところで気分を変えていって治療に取り組んでいくっていうのは大事。
守口さんがね、もうそれを実践されていらっしゃると思いますので、またね、みなさんも実際ちょっと大変な時はちょっと参考にしてみていただけたらということを思っております。
守口 はい。
岸田 はい。そういったなかで、今日のがんノートminiあっという間ではございましたけれども、守口さんがほんとにもう全部カンペがあるんじゃないかぐらいの勢いなんですけど。全然これね、ほんとにカンペも何もなくみなさんにちゃんと聞いて、しっかり喋っていただいてすごいなと。
守口 いえいえ。
岸田 ありがとうございます。
守口 上手にアシストいただいてありがとうございます。
岸田 いやいや、ありがとうございます。そんななかで、今日のがんノートmini終了していきたいと思います。それではみなさん、またお会いしましょう。それでは、バイバイ。
※本ページは、経験者の体験談を扱っております。治療法や副作用などには個人差がございますので、医療情報に関しましては主治医や、かかりつけの病院へご相談、また科学的根拠に基づいたWebページや情報サイトを参照してください。
*がん経験談動画、及び音声データなどの無断転用、無断使用、商用利用をお断りしております。研究やその他でご利用になりたい場合は、お問い合わせまでご連絡をお願い致します。