舌を失っても『できることを一生懸命やりたい』腺様嚢胞がん患者が語る希望と挑戦

【オープニングトーク】

岸田　それでは、がんノートmini、スタートしていきたいと思います。きょうのゲストは荒井里奈さんです。よろしくお願いします。

荒井　よろしくお願いします！

【 ゲスト紹介】

岸田　まず、里奈さんの自己紹介も兼ねて、こちらをご覧いただきたいと思います。荒井里奈さん。現在は岐阜県ご出身で、岐阜にお住まいとのこと。そして「猫舌堂」の顧問を務めていらっしゃいます。里奈さん、「猫舌堂」とはどのような会社なのでしょうか。

荒井　同じくがんを経験した柴田さんが立ち上げた会社です。私たちは治療の影響で「食べにくさ」を抱えた経験があったので、その経験を生かして、食べやすいカトラリーの開発・販売や、コミュニティを通したサポートなどを行っています。

岸田　そして趣味は仏像、カラオケ、『鬼滅の刃』、筋肉少女帯と伺っています。里奈さん、映画『鬼滅の刃』、劇場版は何回行かれたんでしたっけ？

荒井　13回です。

岸田　13回！　煉獄さんに会いに行かれたんですよね。

荒井　はい。「400億」を目指して。

岸田　煉獄さんを“400億の男”にするために尽力されていたんですね。

荒井　そうですね。

岸田　ありがとうございます。仏像もお好きとのことですが、特にお勧めの仏像はありますか。

荒井　子どものころから大好きで、一番好きなのは弥勒菩薩、弥勒如来です。京都の醍醐寺にいらっしゃる弥勒さまが特に好きです。

岸田　京都・醍醐寺の弥勒菩薩ですね。いつか拝見したいと思います。
そして、今日のテーマにもつながりますが、里奈さんのがんの種類は「腺様嚢胞がん（舌下腺原発）」とのことです。後ほど詳しく伺っていきますが、現在、少し話しづらさや聞き取りづらさがあるのは治療の影響ということですので、皆さん、その点をご理解いただければと思います。

ステージはⅣ、告知された年齢が40歳、現在は46歳。そして治療としては手術・放射線・薬物療法を受けられたということです。

【ペイシェントジャーニー】

岸田　里奈さんの、早速なんですけれども、こちらのペイシェントジャーニーに沿って、いろいろお伺いしていければと思います。まず、里奈さんはホテルに勤務されていたということで、ホテルではどんなお仕事をされていたんですか。

荒井　ホテルでフロントとして働いていました。

岸田　フロントで働かれていて、そこから一気に下がっていきます。口腔外科を受診し、その後に耳鼻科を受診されたという流れですが、何か異変があったということですか。

荒井　痛みは数年前からあったんですが、そのときは夜も眠れないほど痛みが強くて、自分で口の中を見たら舌の半分が腫れていました。食べづらさもあって、「これは普通じゃない」と覚悟して口腔外科を受診しました。

岸田　口腔外科では最初、どう言われたんですか。

荒井　予約なしで診てもらったんですが、先生から「とにかくすぐ総合病院に行きなさい。ここに腫瘍があるよ」と言われました。やっぱり、と覚悟しながら聞いていました。

岸田　その後、紹介状を持って総合病院へ行き、耳鼻科に移ったということですね。

荒井　はい。口腔外科を受診した後、「耳鼻科に行ってください」と言われて、耳鼻科に移りました。

岸田　耳鼻科ではどうでしたか。

荒井　CT、MRI、生検など精密検査を一通り行いました。最初は検査だけで、最終的な判断はすぐには出ませんでした。

岸田　その中で、里奈さんは職場に報告をされた。これはどういう背景があったんですか。

荒井　検査のために仕事を休まなければならないことが分かったので、病院の帰りに職場へ寄って事情を話しました。「腫瘍があるようなので検査のためお休みをください」と伝えたら、「いいよ。とにかく治して戻ってこい」と言われ、その一言にとても救われました。そこで絶対に治そうと強く思いました。

岸田　とても良い職場ですね。本当に。そんな中、生検をされたわけですが。

荒井　とても痛かったです。耳鼻科の先生3人がかりで大変な処置だったようです。麻酔をしてもらいましたが、最後に細胞を引っ張ったとき、強烈な痛みがありました。帰宅後、その日の夜に腫れてしまい、話すこともできず、呼吸も苦しいほどで、とても大変な検査でした。

岸田　そして、生検の後にがん告知があるわけですが、がん告知で気持ちが上がったとありますね。

荒井　はい。私は「がん」と言われて、むしろほっとしました。「がんなのか。じゃあ倒そう」と。がん告知までの“正体が分からない時間”のほうが、ただただ不安でつらかったんです。がんと分かったことで、治療という次のステップが見えてきて、前を向くことができました。

岸田　多くの患者さんが“分からない時間が一番つらい”と言いますよね。

荒井　本当にそうです。夕方になると不安で泣いていました。

岸田　その時点で、腺様嚢胞がんという診断名も分かっていたんですか。

荒井　すべて分かっていました。ただ、病名が非常に難しく、先生も説明が大変そうでした。悪性度が高いという説明とともに、そのときは「口腔底がん」という言い方で説明されました。

岸田　口腔がん、ということですね。

荒井　口腔底がんです。
底辺の「底」という字を書きます。

岸田　口腔底がん、ですね。

荒井　はい、そうです。

岸田　そんな里奈さんが「口腔底がん」と告げられたわけですが、がんと宣告されて、むしろほっとしたとお話しされました。その後、すぐに職場へ報告されたんですよね。この「職場に報告」がグラフでも上向きに描かれているのは、どういう理由なんでしょうか。

荒井　そうなんです。がんと告知されたその帰り道、ホテルに寄って「がんでした」と伝えました。腫瘍の位置が舌の下だったので、手術で舌を切除する可能性が高いと説明を受けていました。「手術で舌を取ると、もう話すことも難しくなるし、障害が残るかもしれない」と。

それを正直にお話ししたら、上司が「しゃべれなくてもできる仕事はある。戻ってこい」と言ってくださったんです。もうその一言で胸がいっぱいになりましたし、「絶対に戻ってこよう」と覚悟が決まりました。

岸田　なんて素晴らしい職場なんでしょう。話せなくても居場所がある、必要としてくれる──そういうホスピタリティを感じますね。

荒井　本当にそう思いました。むしろ首になってもおかしくないと思っていたので、心から救われました。

岸田　そして、その後に少し下降が描かれています。それが「セカンドオピニオン」。ここでは何があったのでしょう。

荒井　地元の病院では「手術が難しい」と言われてしまって、「より大きな病院へ」と勧められました。そこで岐阜大学医学部附属病院に行ったんですが、痛みも強くて、気持ちはかなり落ち込んでいました。

岸田　当時、腫瘍はどのあたりに？

荒井　左の舌下腺です。顎まで腫れるほど大きくなっていて、腫瘍は5センチほどありました。

岸田　セカンドオピニオンでは、どんな説明を受けたんですか。

荒井　ほぼ同じ説明でした。舌の神経を巻き込んでいたため、舌は切除せざるを得ない。話すことも食べることも難しくなる、と。

岸田　何が一番ショックでしたか。

荒井　やはり「舌を失う」ということです。聞いたこともないし、想像もつかない世界で──。がんが治ったとしても、舌がなければどんな生活になるんだろう？と、未来がまったく見えなくなる感覚でした。

岸田　そこから、もうひとつ上がりがあります。もう一度、セカンドオピニオンを受けに行かれたんですね。

荒井　はい。家族の強い希望で、「もっと良い方法があるかもしれない」「もっと良い病院があるはずだ」と言われて、愛知県がんセンターに行きました。

岸田　結果、変わりましたか？　心境は。

荒井　変わりました。

岸田　変わった。

荒井　初めてがんセンターの待合室で待っているとき、「ここにいる人たち、みんながんなんだ」と思ったら、不思議と肩の力が抜けたんです。それまでの病院では、自分が「がんになった人」として特別に感じてしまい、居場所がないような気持ちでいました。でも、そこでは「私だけじゃない」と思えた。

さらに、担当してくれた先生がほんわかした方で、「30代なら大丈夫だよ」とおっしゃったんです。私は40歳だったので、思わず「すみません、40です……」と突っ込んでしまって（笑）。病気になって初めて笑いました。「大丈夫かもしれない」と思えた瞬間でした。

岸田　先生の年齢間違いは置いておいて……その温かさ、そして“ひとりじゃない”と思える空間が、心を軽くしてくれたんですね。

荒井　はい。治療の方針はほぼ同じでしたが、「流動食のような形でも、食べることはできるようになるよ」とはっきり言ってくださって、それも大きな救いでした。

岸田　そして、その後、手術へ。どんな手術だったのでしょうか。

荒井　舌の切除と、再建のための移植手術です。がんが広がっていたため、両側の首のリンパ節も切除になりました。当初より時間が延びて、13時間半の大手術でした。

岸田　13時間半の手術……本当に大変でしたよね。そしてその後、腺様嚢胞がんだと分かった、ということなんですね。

荒井　はい。正確には手術前から先生たちは腺様嚢胞がんだと分かっていたようなんですが、私自身がその名前をきちんと理解したのは、手術後の説明を受けたときでした。

　術後に「放射線治療を追加しましょう」という話になり、先生から「荒井さんのがんは腺様嚢胞がんという珍しいがんなんですよ」と言われて、初めてその名称を意識して。「えっ？」と思って自分で調べたんです。
がんと言われてからも、自分のがんについて深く調べていなかったので、そこで初めてその特徴を知りました。

岸田　そうだったんですね。腺様嚢胞がんであると自覚したのは、このタイミングだったと。ただ、ここから気持ちがぐっと落ちる場面があります。それが 放射線治療。これは、特に何がつらかったのでしょうか。

荒井　本当につらかったです。期間も長くて、60グレイを30回。当てる範囲も広かったので副作用が強く出て、痛みや吐き気が激しくて……。「もう行きたくない」と泣きながら拒否したこともありました。でも、車いすで連れて行かれて、どうしようもなくて。

岸田　口から喉まで、広い範囲に当てていたんですよね。

荒井　はい。放射線で口内炎もひどく、吐くことも多くて、本当に苦しかったです。

岸田　治療期間はどれくらいだったんですか。

荒井　1カ月ちょっとです。私は退院せず、そのまま入院した状態で続けました。実家から遠かったので、そのほうが良くて。

岸田　放射線治療、本当につらいですよね……。そしてその後、さらに下がるポイントが「リハビリが思うように進まない」こと。

荒井　はい。話すリハビリと食べるリハビリを並行してやっていたんですが、放射線の影響で、移植した舌が予定より小さくなってしまって。その結果、発音も嚥下も想定より難しくなり、水すら口から飲めない時期が長く続きました。
退院も伸びてしまい、そのたびに落ち込みましたね。

岸田　自分の努力がなかなか結果に結びつかないのは、本当に苦しいですよね。

荒井　そうですね。気持ちも折れかけていました。

岸田　でも、ここから少し上向きになっていきます。それが 胃ろうの増設。胃ろうとはどういうものですか？

荒井　口から食べられないので、鼻から胃にチューブを通し、そこから栄養剤を入れていたんですが、チューブでは退院できないと言われていました。それで私は、自分から「胃ろうを作ってください」とお願いしたんです。胃に直接穴を開けて、そこから栄養を入れられるようにする手術です。

岸田　里奈さんとしては、胃ろうを作って正解だったと思いますか？

岸田　13時間半……本当に大きな手術でしたね。そして、その後、腺様嚢胞がんであることが判明したのですね。

荒井　はい。正確には手術前から診断名としては分かっていたのですが、自分が「腺様嚢胞がん」という病名であることを実感したのは、手術後でした。術後、追加で放射線治療が必要だと説明を受けたときに、先生が「荒井さんのがんは腺様嚢胞がんという珍しいタイプなんですよ」と言われて、“え？”と初めてその名前を意識して。その後、自分で調べて、初めてその性質を知りました。私は告知後もがんについて深く調べていなかったので、そのとき初めて、自分の病気の姿がはっきりと輪郭を持った感じでした。

岸田　そうだったんですね。病名を自覚したのがこのタイミングだったと。そして、そこからグッと下がる場面が訪れます。放射線治療です。これは、どんなところがつらかったのでしょうか。

荒井　本当につらかったです。治療期間が長かったこともありますが、私は放射線との相性があまり良くなく、痛みや吐き気が強く出るタイプでした。毎回、治療室へ行くのが怖くて、“もう嫌だ”と泣いて拒否することもありました。それでも車いすで連れて行かれて……。照射範囲も広く、口から喉にかけて強い炎症が出て、口内炎もひどくて。とにかく、毎日吐き続けていました。

岸田　1カ月以上、毎日のようにその治療が続いたんですよね。

荒井　はい。私は愛知県がんセンターへ通院が難しかったので、手術後そのまま入院して放射線治療を受けていました。

岸田　本当に過酷な時期だったと思います。そして、そこに追い討ちをかけるように、リハビリもうまくいかなかったのですね。

荒井　そうなんです。話すこと、食べることのリハビリを並行して行っていたのですが、放射線の影響で移植した部分が予定より小さく縮んでしまい、思うように機能が回復しなくて……。水を一口飲むことすら難しく、リハビリの度にうまくできない自分が悔しくて。退院もどんどん延びていき、そのたびに泣いていました。

岸田　思うようにいかない状況って、本当に心にきますよね。
　でも、ここから大きく上昇するきっかけが出てきます。それが「胃ろうの増設」。胃ろうとは何でしょうか。

荒井　口から食べられなかったので、ずっと鼻から胃に通した管で栄養を取っていました。でも、それだと退院ができなかったんです。胃に直接栄養を入れる“胃ろう”を作れば、退院できるし、お風呂にも入れるし、働くことにも近づける。だから、私は“希望につながる選択”として胃ろうをお願いしました。

岸田　胃ろうにすることで退院ができたんですよね。

荒井　そうです。両親は「胃ろうを作ったら一生口から食べられない」と反対していましたが、私は逆に胃ろうがあることで“生き直せる”と思っていました。結果的に、本当に作ってよかったと心から思っています。

岸田　そして戻っていったのが職場。職場復帰です。

荒井　うれしかったですね。本当に。その頃はまだ今ほど話せなかったので、フロントではなく事務の仕事に移りましたが、職場の皆さんは誰一人、私を“病人扱い”しませんでした。いつもどおり接してくれたので、仕事をしている時間は病気のことを忘れられて、心から楽しかったです。

岸田　すばらしい環境ですね。そして、患者会「TEAM ACC」との出会い。

荒井　同じ腺様嚢胞がんの人に会ったことがなかったので、東京のオフ会に思い切って参加しました。初めて“同じ病名の仲間”と直接会って話して、ものすごく安心しました。一人じゃないと思えたのは、本当に大きかったです。

岸田　でも、その直後に下がる出来事が起きてしまう。肺への多発転移です。

荒井　遠隔転移しやすいがんだと分かっていたので、「来たか」という気持ちでした。でも、TEAM ACCで元気に過ごしている仲間を見た直後だったので、必要以上に動揺はしませんでした。

岸田　そして、海綿静脈洞や頸神経への転移も見つかったと。

荒井　はい。ここではすでに症状が出ていました。右目の神経まひや左腕のしびれです。肺の転移は無症状で経過観察でしたが、この2カ所については治療が必要でした。

岸田　放射線・抗がん剤、そして分子標的薬。さまざまな治療が行われていったわけですね。

荒井　はい。分子標的薬は腺様嚢胞がんには適用外でしたが、先生が特別に申請してくださって、7カ月ほど使いました。その間、進行を抑えることはできていました。しかし適用が続けられなくなり、TS-1に切り替えましたが効果は乏しく、今は治療法がないため無治療で経過観察をしています。

岸田　今は定期的に病院に通い、緩和ケアも受けながら生活されているということですね。

荒井　そうですね。痛みを和らげることが今の中心です。

岸田　痛みの緩和を中心にされているということですね。補足になりますが、先ほどお話にあった分子標的薬について伺いたいのですが、これは先生が“保険適用として使えるように”特別に申請してくださったものだったんですよね。

荒井　本来、腺様嚢胞がんには適用外の薬なのですが、私の場合にも保険で使えるようにと、先生が申請してくださっていました。
最初の申請は通って保険適用で治療を受けられたのですが、年度が替わったタイミングで再び審査があり、その際に保険が通らなくなってしまったんです。

岸田　なるほど。一度適用外になってしまうと、治療費が全額自己負担になりますもんね。

荒井　はい。とても高価な薬で、私自身はもちろん、病院側の負担も非常に大きくなってしまうということで、その薬での治療は継続できなくなりました。

岸田　それで、治療の選択肢を切り替える必要があったということですね。

荒井　そうです。

【お金・活用した制度】

岸田　ありがとうございます。よく分かりました。そんな里奈さんですが、今回のゲストエクストラとして “治療のお金・活用した制度” についてもご紹介したいと思います。里奈さんは 高額療養費制度 や 傷病手当金、そして 民間保険（JA共済） を利用されたということですが、実際どうでしたか。

【大変だったこと→乗り越えた方法】

岸田　そして、大変だったこと、そしてそれをどう乗り越えたかという点ですが。里奈さんの場合、「口から食べられない」「うまく話せない」ということが大きかったと伺っています。乗り越えられた方法として、先輩患者さんの存在や職場への復帰が大きかったということですが、これは本当に里奈さんにとって支えになったんでしょうか。

荒井　はい。私、舌を切除した人に実際に会ったことがなかったんです。でも、先輩患者さんに出会って、普通に楽しそうにおしゃべりしていたり、ご飯を食べていたりする姿を見て、「あ、私も頑張ればまた食べられるようになるかもしれない」と思えたんです。その“実際の姿”を見れたのが、ものすごく励みになりました。

それから、職場に復帰して、毎日誰かと会って話すということが、結果的に一番のリハビリになったと思っています。もしあのまま家にこもっていたら、今みたいに話せるようにもなっていなかったでしょうし、ご飯もまだ食べられていなかったかもしれません。

【がんの経験から学んだこと】

岸田　里奈さんは、人と関わることでリハビリが進んだというお話をいただきました。ありがとうございます。そんな里奈さんの経験から生まれた言葉として、こちらを紹介したいと思います。

岸田　「人間は、失った機能を補う能力を持っている。できなくなったこともあるけれど、できることを一生懸命やりたい」この言葉に込めた思いを教えていただけますか。

荒井　私は舌を失い、たくさんのことを諦めざるを得ませんでした。でも、意外なほど「残された力」があることに驚いたんです。舌がなくても味は分かるし、話せない時期でも、身ぶり手ぶりや筆談を使えばコミュニケーションが取れる。人間は、失った部分を別の力で補う術を自然と持っているんだと、身をもって感じました。

荒井　だから今は、できなくなったことを嘆くよりも、「今できること」を精いっぱいやることのほうが大切だと思っています。その積み重ねが、自分の可能性を広げてくれると信じています。

岸田　“できることを一生懸命に”。まさに今の里奈さんが体現されている姿、そのものですね。

荒井　ありがとうございます。猫舌堂の活動もそうですし、好きなことにも全力で向き合いたいと思っています。

岸田　本当に、里奈さんのお話を伺って、私自身も「今、自分ができること」に誠実でありたいと感じました。
今日は貴重なお時間をありがとうございました。

荒井　ありがとうございました！