肺がんと戦っている長谷川さん。がんと自分の生き方について語ってくれました。

【略称】インタビュアー:岸田 / ゲスト:長谷川

更新日:2015.09.02

発覚の時のこと

岸田 どうやってわかったのですか?

長谷川 人生の中で一番ひどい咳が出ました。はじめは風邪として抗生物質をもいましたが、治らないので夜中に救急でCTとったら「重い病気の可能性があるのでもっと検査しましょう」と。確定診断はすぐには出ませんでしたが、どう見てもがんだったので自分から聞きました。

告知のこと

岸田 告知の時はどうでしたか?

長谷川 3人の医師に診断を受けたが、みんな「余命10カ月」と言いました。ある医師に「長谷川さんは子供がいるのかな?人はみんな役割とか使命があるでしょう。だから、大切に生きなさい。そういう病気です。」といわれて、「ああ戦っていいんだ、戦う選択肢ありなんだ」と。

治療のこと

岸田 治療は何をしましたか?

長谷川 治世の中の(抗がん剤の)イメージを作ったあいつ(シスプラチン)。まだ吐き気止めとかないから、イメージ通りのあの「おええ」ってやつ。月に1回のを半年。薬は5種類くらいありました。その後、手術・放射線治療を合間合間に入れて5年間です。

岸田 手術・放射線が、きかないって言われたのでは?

長谷川 薬が効いて転移も見えないくらい小さくなって、放射線や手術ができるようになりました。それで生き延びています。

家族のこと

岸田 家族に変化はありましたか?

長谷川 特段大きな変化はありませんでした。妻が感情を表に出してくれるタイプだったので助かりました。

仕事のこと

岸田 仕事はどうしたのですか?

長谷川 フリーでテレビディレクターの仕事をしていたが、病後は5年間くらい一切仕事しませんでした。病気になる前は何本も同時並行で番組を作っていたのが、いまは1本をゆっくりやる感じ。フルタイムではありません。

お金・保険のこと

岸田 お金はどうしたのですか?

長谷川 妻とお金会議をして「貯金はあなたの治療費には使いませんからね。未来のこと(子供の学費)に使います」と。厳しいなとは思ったけど、そうだなと思いました。フリーなので定期的にお金が入るわけではなかったが、ちょうど少し前にやった仕事のまとまったお金が入って1年くらいは大丈夫でした。あとは親からの援助、友人からのカンパ。それから、がん保険を使い倒しました。通院も保障されるもの。父親ががんだったのをきっかけにたまたま入っていたので。

辛かったこと&克服法

岸田 肉体的に辛かったことはありますか?

長谷川 肉体的なことで言えば、例えば、いま。薬があるので、毎日だるいです。

岸田 精神的には?

長谷川 精神的なことで言えば、5年間はほぼ仕事ができず、ここ半年で少しずつ仕事するようになりましたが「自分が自分じゃなくなっていく経験」をしました。週5で通院していたので、1日2~3時間働く、具合が悪くなったら休む、という感じで仕事を始めたら月給5万円。「あ、おれ5万円の価値なんだ」と思いました。NPOとかに参加し始めて聞かれてもいないのに「俺テレビのディレクターなんだ」と過去の栄光にしがみついている自分に気付いたりとかもしました。「自分が思っている自分」と「現在の自分」のギャップが辛かったです。やっと昔と同じ仕事を再開して克服しかけています。

岸田 後遺症は何かありますか?

長谷川 後遺症(膿胸)治療のためにガーゼを毎日交換が必要です。また、髪の毛がしょんぼりします。

反省

岸田 あの時こうしておけばよかったことはありますか?

長谷川 治療方針を流されて深く考えずに決断したのは後悔しています。薬をいくつか併せて飲んでいたましたが、新薬は合併【注意】のため使わないでいたころ、肺癌学会がありました。 3つ目の薬を使っていたら、もっと効いていただろうという発表があり、調べれば出てきたはずの情報を調べず投薬しなかったのは血が逆流するほど後悔しています。あとあと後悔しない選択って本当に大切です。

医療従事者への感謝と要望

岸田 医療従事者への感謝と要望はありますか?

長谷川 よく聞く3分診療とかはなかったし、忙しいときは忙しいのを伝えてくれた。要望としては、 聞きやすい状況を作ってもらえると嬉しいです。

キャンサーギフト

岸田 長谷川さんにとってのキャンサーギフトは何ですか??

長谷川 いろんな人と出会えたことです。病気にならなかったら会わなかった人。そして患者会を作ったことでしょうか。

おすすめ情報 

岸田 闘病を通してこられて、コレおすすめ!という情報はありますか?

長谷川 がん哲学外来です。前向きな感じで元気がもらえます。たとえば「人生に期待するのではなくて、人生から期待されているんだと考える」(JFK)「一生懸命それに対してやったのであれば、その心配事はほんの少しでいい。」(勝海舟)医療の隙間・心の問題を順天堂大学の病院で取り上げてみたらものすごい需要があったみたいですね。

今、闘病中の方へ

長谷川 がんは自分がどう生きるかとあまり関係がないと思います。がんをいいわけにして後悔して生きていくよりは、がんがあってもできることがあると思います。

※本ページは、あくまで経験者の情報を扱っております。そのため、あくまでその方のケースはそうだったということを念頭においてください。そのため、医療情報に関しては主治医や、行きつけの病院、またはしっかり科学的根拠に基づいたWebページや情報サイトを参照してください。

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